気候変動への対応
気候変動への対応を重要な社会課題の一つと捉え、脱炭素社会の実現に向けて、事業を通じた社会全体の環境負荷の低減に取り組んでいます。商品のトラック輸送における積載効率の向上や配送ルートの最適化、物流センターのエネルギー使用における省エネ施策の徹底や再エネ由来電力の調達などを通じて、CO2排出量の削減を進めていきます。
また、取り組みの一環として、2022年6月にTCFDへの賛同、およびTCFD提言に基づいた気候変動に関する情報開示を行いました。今後は、開示した情報を基にステークホルダーのみなさまとの対話を積極的に進め、対応策の検討・実施、さらなる開示の充実に努めてまいります。
CO2排出量(Scope別)
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | |||
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Scope 1 (自社の燃料使用に伴う直接排出) | 3,267 | 3,262 | 2,627 | ||
Scope 2 (自社の電力使用に伴う間接排出) | 18,514 | 20,234 | 18,756 | ||
Scope 3 (サプライチェーン排出)※1 | 30,408 | 6,189,933 | 6,399,372 | ||
カテゴリー1 | 購入した製品・サービス | 5,523,521 | 5,715,331 | ||
カテゴリー2 | 資本財 | 36,855 | 5,638 | ||
カテゴリー3 | Scope1.2に含まれない 燃料およびエネルギー関連活動 |
7,332 | 3,993 | ||
カテゴリー4 | 輸送、配送(上流)※2 | 30,408 | 30,578 | 28,855 | |
カテゴリー5 | 事業活動から出る廃棄物 | 460 | 483 | ||
カテゴリー6 | 出張 | 284 | 290 | ||
カテゴリー7 | 雇用者の通勤 | 9,571 | 9,554 | ||
カテゴリー12 | 販売した製品の廃棄 | 581,197 | 635,096 | ||
カテゴリー13 | リース資産(下流) | 135 | 132 |
- 2023年3月期より、Scope3の算定カテゴリーを拡大し、上記の9カテゴリーを算定しています。
算定に際しては、環境省公表のガイドライン(Ver3.3)および排出原単位データベース(Ver3.4)を参照しています。 - カテゴリー4は、当社から小売業さまへの商品輸送に伴う排出量を算定しています。
Scope1・2の削減に向けた取り組み
PALTACは、Scope1・2のCO2排出量を対象に 2030年時点で50%削減(2020年度比)、2050年時点のカーボンニュートラルを目標に掲げ、削減の取り組みを推進しています。
Scope1については、事業所で使用する化石燃料の切り替えに加えて、営業車のガソリン使用量を削減するとともに、充電インフラ等の環境整備状況、業務プロセスの見直しなどを総合的に勘案しつつ、EV車両への切り替えを進めていきます。
Scope2については、電力使用量の削減に限界があることから、物流センターへの太陽光発電設備の設置や環境証書の取得を通じて、再エネ由来電力の調達を進めていきます。また、カーボンニュートラルの達成に向けて、現在進行中の施策に加えて、PPAを活用した追加性のある再エネ電力の調達等、あらゆる手段の検討を継続して行い、技術進化や市場環境の変化に応じた効 果的な取り組みを推進していきます。
Scope3の削減に向けた取り組み
Scope3については、事業活動の改善とCO2削減の関連性が高いカテゴリー4の削減、および算定範囲の拡大を進めています。カテゴリー4においては、輸送距離の短縮や積載効率の向上など配送効率化を通じた燃料使用量を減らす施策を進めています。中長期の視点では、技術進化や市場環境の変化に注目しつつ、配送トラックの非化石エネルギーへの転換に向け、配送業者さまをはじめとするお取引先さまとの連携を強化していきます。
その他のカテゴリーについては、まずは環境省のガイドラインを使用して排出量を算定しています。今後は、算定精度を高め削減ターゲットを抽出するとともに、削減において不可欠となる、お取引先さまと同じ「ものさし」をもつ手法を調査・研究し、その先の連携・削減につなげていきます。
商品輸送に伴うCO2排出量の削減
商品輸送に伴うCO2排出量の削減に向けては、輸送距離の短縮や積載効率の向上など配送効率化を通じた燃料使用量の削減を進めています。新たに策定した中期経営計画に基づき、今後は配送マネジメントシステムの構築による配送データの可視化や、他企業との協働配送の推進を計画しており、さらなる配送効率の向上を通じたCO2排出量の削減を進めていきます。
また、中長期の視点では、技術進化や市場環境の変化に着目しつつ、配送トラックの非化石エネルギーへの転換に向け、配送業者さまをはじめとするお取引先さまとの連携を強化していきます。

販促をデータでつなぐ「販促物一貫サポート」
「販促物一貫サポート」は、当社が有する店舗支援・SCM機能および子会社の株式会社ハバクリエーションの売場プロモーション機能の連携による販促物(販売促進のための売場什器)の企画・製作、梱包、配送および店頭設置、その後の効果測定までを一貫して当社が担うサービスです。当業界は、商品のみならず販促物の流通においても多くのムダが存在しており、販売機会の損失や環境負荷を引き起こしています。「販促物一貫サポート」の提供により、販促物の製作段階から小売業さま・メーカーさまと連携し、販促企画に見合った数量の製造や効率的な配送、そして、店頭状況をリアルタイムで確認できる「PITシステム」を活用した販促物の完全設置と精度の高い効果検証の実現により、販促物の流通におけるムダを排除します。既に複数のお取引先さまとの取り組み効果が表れており、売上拡大に貢献するとともに社会・環境価値の向上につながる販促活動を実現しています。
