卸売業とは
「当たり前の暮らし」に欠かせない卸売業の社会的な存在意義とその役割についてご説明します。
歯ブラシやシャンプー、洗剤、風邪薬など、暮らしのなかで当たり前のように手にする生活必需品。
これらの商品がいつでも豊富な品揃えで店頭に並び、安定した価格で購入できるのはなぜでしょうか?
そこには「卸売業」の存在が大きく関係しています。
「卸売業が存在しない社会」と「卸売業が存在する社会」の違い
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卸売業が存在しない
各メーカーが各店舗に配送
- 取引回数は多く、大量の取り引きがしづらい
- 効率が悪く、流通コストが高くなる
- 幅広い商品を揃えることができず、店頭価格も上がる
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卸売業が存在する
卸売業がまとめて仕入れて各店舗に配送
- 取引回数は少なく、大量の取り引きが可能
- 効率が良く、流通コストが抑えられる
- 幅広い商品を揃えることができ、店頭価格も安定する
卸売業の存在により、効率的な流通が実現しています
卸売業が存在しない社会では、商品が店舗に届くまでの効率が悪くなり、流通コストの上昇に伴って店頭価格も上昇します。
また、商品が店舗に届かず品切れが発生しやすくなることも考えられます。
これに対して、卸売業が持つ5つの機能により効率的な流通を支えることで、欲しい商品が、いつでも、安定した価格でみなさんのお手元に届く社会を構築しています。
卸売業の5つの機能

集荷・分散機能
複数のメーカーから商品をまとめて仕入れ、それを店舗ごとに分けて配送しています。配送や入荷作業の回数を減らすことで、流通全体のコストを抑えることができるため、店頭価格の上昇を防ぐことにつながります。
在庫機能
適切な量の商品を中間で在庫しておくことで、店舗で必要となる量を必要なときにお届けしています。店舗にたくさんの在庫を置くスペースを用意する必要がないため、さまざまな種類の商品を店頭に並べることができます。また、店頭の品切れ防止にも役立っています。
金融機能
流通の中間で取引を集約することで、メーカー、小売業の決済業務の負担を減らしています。また、メーカーにとっては代金未回収のリスクを減らすことにもつながるため、商品の開発や生産に向けた新たな投資が行いやすくなります。
情報提供機能
流通の中間だからこそ集まる、多種多様な情報をメーカー、小売業へ提供しています。メーカーには、生活者のニーズや売れ行き情報など、新しい商品づくりにつながる情報を、小売業には、最新トレンドや新商品情報など、魅力的なお店づくりにつながる情報を提供しています。
マーチャンダイジング機能
生活者のみなさまのニーズやトレンドにあった商品を国内外のさまざまなメーカーから仕入れることに加えて、小売業へ適切な数量、タイミング、価格で店頭に並べるためのサポートを行っています。 「今、欲しい商品がいつでも」店頭に並ぶために不可欠な機能です。
卸売業は、単なる流通の「つなぎ役」ではありません。
これらの機能により流通を効率化することで生活者のみなさまが欲しい商品を、いつでも、安定した価格で購入できる暮らしを「当たり前」にしています。
さらに、流通の効率化は環境負荷の低減や働きやすさの向上にもつながっているのです。
目立たないかもしれませんが、豊かで快適な暮らしを支える「卸売業」の役割を、ぜひ身近に感じていただければ幸いです。