トップメッセージ

投資家の皆様へInvestor

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。
代表取締役社長の吉田拓也です。


早いもので、2023年6月に代表取締役社長に就任してから約1年が経過しました。2024年3月期の業績については、おかげさまで売上高・営業利益・経常利益で過去最高を更新することができました。しかしながら、エネルギーや原材料価格の高騰や価格競争の激化により、収益率は低下傾向にあり、業界全体を見ても、人手不足への対応や市場の創造など、人口減少社会において持続的成長を果たすための課題は山積みの状況です。社長に就任してからの1年間、まず私たちは「何のために存在しているのか」という当たり前の原点から見つめ直しました。そして、社内外のステークホルダーとの議論を通じて「これからの社会へどのような価値を提供していくのか」を考え、その結論を10年程度先のありたい姿「長期ビジョン」として描きました。


長期ビジョンのスローガンは「つなぐ力で人と社会のミライを創る」です。次の10年は、あらゆる業界・分野でルールやあり方が変わる「変革の時代」となります。私たちは、そのようななかで、流通を通じて築き上げてきた強み「つなぐ力」を人・デジタル・パートナーシップを通じて発展させ、流通ネットワークにイノベーションをもたらす企業になりたいと考えました。「流通にイノベーションを起こし、社会課題の解決に貢献する」という夢のもと、従業員がいきいきとやりがいを持って働き、社会とともにウェルビーイングを実現する。そのようなミライを目指して変革に挑戦していきます。

イノベーションのテーマは大きく2つです。1つ目は、私たちの一番の強みとも言える物流機能です。今後、労働人口減少により人手不足が深刻化する一方、価値観の多様化に伴うサービスや商品のパーソナル化に対応するため「多品種・少量生産・少量販売」の増加が予想されます。言い換えれば、働く人が減っていくなか、物流のオペレーションはより複雑になっていく可能性があるということです。そこで、私たちは未だかつてない圧倒的な生産性を備えた物流の開発に挑戦します。これにより、従来の卸売物流を進化させるとともに、培ったノウハウや生み出したキャパシティを活用して、カテゴリや業種の壁を超えて物流のネットワークを拡げていきたいと考えています。

2つ目は、中間流通で培った「つながり」です。現在、私たちは1,000を越えるパートナーとつながり、連携・協働を通じて生活必需品を生活者の皆さまへお届けしています。しかし、流通のなかには情報が分断された箇所が存在しており、その分断によって「ムリ・ムダ・ムラ」が発生しています。例えば、商品が「流通のどこに、いくつ存在するのか」といった情報が正確につながっていないことで、流通の各段階では、供給量の調整に多大な労力を費やしています。加えて、供給に過不足があった場合は、廃棄物や輸配送の増加につながってしまいます。このように、データやデジタルを活用することで解消できるムリ・ムダ・ムラはまだまだ存在しており、10年後に同じことをしていてはサプライチェーンの持続的成長は難しいと考えています。これに対して私たちは、培った「つながり」と情報資産、そしてデジタルを活用して、サプライチェーンに「より強く、多様なネットワーク」を創出することに挑戦します。さらに、そのネットワークを国内にとどまらずグローバルに展開することで、より多くの価値を創造していきたいと考えています。


長期ビジョンの実現に向けては、2025年3月期からはじまる3年間を「構造改革による変革基盤の構築」の期間と位置づけ、新中期経営計画「PALTAC VISION 2027」として取り組みを進めていきます。新中計では、変革に向けた投資の原資を獲得するため、既存事業の収益性改善による着実な利益拡大に努めるとともに、変革を実現する実行力・競争力の獲得と、パートナーとの協働推進を目指します。なかでも実行力については、価値創造の要である人財を活かすため、人財の育成、データやデジタルの活用度向上、組織余力の創出に注力します。これらの取り組みは互いに関連しますが、まずは人財が付加価値業務に専念できるよう、日々進化するデジタル技術や外部リソースを積極的に取り入れ、業務の改革を進めることがスタートと考えています。これにより、既存事業周辺での新たな価値提供に向けた挑戦を加速していきます。


私たちは、1898年の創業以来、サプライチェーン全体の最適化・効率化を通じて「人々の豊かで快適な生活を実現する」という存在意義を果たすことで、今日まで成長してきました。今後におきましても、新たに策定した長期ビジョンおよび中期経営計画に基づく取り組みを通じて、私たちの存在意義を果たし、これまで以上に力強く、すべてのステークホルダーとともに成長できる企業を目指してまいります。


株主様をはじめステークホルダーの皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援・ご鞭撻を賜りますよう、宜しくお願い申しあげます。


※中期経営計画の詳細につきましては、こちらをご覧ください。

コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方corporate governance

当社は、経営の透明性と健全性を確保しながら、企業価値を最大限に高めていくことを重視した取組みを行っております。
取締役会は、経営方針や法令で定められた事項、またその他経営に関する重要事項を検討及び決定するとともに、 業務執行状況の監督機関として位置付けております。
監査役は、取締役の職務執行について、適法性、効率性の観点から、厳正な監視を行っております。
また、業務全般にわたる適正な運営及び改善を目指し、計画的かつ全社的な内部監査を社長直轄の監査部が実施しております。
なお、当社は適宜行う質の高い情報開示こそがステークホルダーに対する責任を果たすことであり、 経営の透明性と健全性の向上に資するものと考え、情報開示に積極的に取組んでまいります。

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